2023年2月14日カテゴリー:

5万年ぶりのZTF彗星

昨年3月に発見されたZTF彗星が、2月2日、地球に最接近しました。画像はいずれも総合教育センターのある甲府盆地から、口径130mm反射望遠鏡を用いて「電視観望」した際に撮影したものです。

【画像①】

 

画像①は、1月31日、最接近の2日前に撮影しました。北極星付近にあり、画像左上に向けてぼんやりと彗星の尾が見えます。望遠鏡が日周運動に合わせて動いているため、撮影時間5分ほどの間に彗星が天球上を動き、中心核が画像上で右から左へ動いています。

【画像②】

 

画像②は、2月12日に撮影しました。火星の近くにあり、画像右上にかけて薄っすら尾が見えています。撮影時間が3分半と①画像より短いこともありますが、暗くなっていることがわかります。なお、こちらの画像は望遠鏡が彗星を追いかけているので、中心核は動かず、その代わりに周辺の星が回転運動をしているかのように見えています。

 

ZTF彗星は約5万年周期で楕円軌道上を動いていましたが、今後は太陽系を離れてしまい、戻ってくることはないと考えられています。5万年前、人類はこの彗星を目撃したのでしょうか。今よりも夜空が暗かった当時、もっと輝いていたかもしれませんね。